茹でてあると共に赤く、見た目ではなかなか区別がつかない、ズワイガニと紅ズワイガニの違い。
ズワイガニはケセンガニ科のズワイガニ属に属す本ズワイガニです。同じ種類の仲間に紅ズワイガニ、オオズワイガニがあります。
これらは、お中元、お歳暮など贈り物の定番品として、冬の食卓には欠かせない日本の高級食材として根付いています。
ズワイガニと紅ズワイガニは、名前は似ていますが、味や値段の違いの他にも、生態や生息場所にも様々な違いがあるのです。
今回はズワイガニと紅ズワイガニの違いついて詳しくご紹介したいと思います
その1
ブランドガニとして食べ親しまれるズワイガニですが、水揚げされた場所によって、呼び方が異なります。
福井県の日本海付近では越前ガニ、山陰付近では松葉ガニと呼ばれています。しかし、それもオスガニに限った呼び名で、ズワイガニのメスは、親ガニやセイコガニと呼ばれています。
一方で、ズワイガニと紅ズワイガニの違いは、甲羅から脚まで濃い紅色であり、茹でると一段と鮮やかな紅色となる紅ズワイガニ。他にも兵庫の香住港で取れた紅ズワイガニは香住ガニと呼ばれています
その2
ズワイガニは、程よい甘さと柔らかな身がぎっしり詰まっていることから、日本の三大ガニとして根強い人気があります。
ズワイガニと紅ズワイガニの違いは、紅ズワイガニはズワイガニと比較すると、小さく、水分が多く身が柔らかいことや、甲羅の味噌がとろけるように美味しいことから、人気があります
その3
共に日本海側に多く生息していますが、ズワイガニと紅ズワイガニの違いは、ズワイガニは大陸棚の、水深300m付近の比較的浅い箇所に生息しています。
紅ズワイガニは、最も深い水深箇所で、2500m程の深海に生息しています。この海域の水温はとても低く、紅ズワイガニの独特の水々しさは、水圧が高い深海域に生息するためと言われています
その4
ズワイガニの平成30年の国内の水揚げ量が多い都道府県は、兵庫、鳥取、北海道の順となっています。
対して、紅ズワイガニは鳥取、北海道、新潟と続いています。
また、全体量としては、ズワイガニと紅ズワイガニでは、紅ズワイガニの方が多く、その数はズワイガニの約3倍もの違いになります
その5
ズワイガニと紅ズワイガニの価格に違いがあるのか、気になるところかと思います。
ズワイガニは、厳選なランク付けを行い高品質のカニであれば1杯数万円にもなり、水揚げ量も少ないことから高値で推移しています。
紅ズワイガニは、身入りが悪いものなどは缶詰や加工品にすることもあり、姿で販売されているのは品質の良いものが多いです。気になる価格は、ズワイガニの半値程度でとなっており、食感の好みなどもありますので、使用用途に応じて購入されることをオススメします
その6
ズワイガニは1年に1回、紅ズワイガニは2年に1回と産卵の周期が違います。また産卵数もズワイガニが約2倍多くなります。
その理由は、紅ズワイガニは、冷たい深海域で限られた少ない餌を食べて生息するためと言われています
その7
ズワイガニはそのおいしさもさることながら、水揚げ量も少なく、希少価値が高まる限定品という貴重さもあり、高値で取引されています。
解禁日は毎年一定となっていますが、海域によってやや漁期がずれているため、同じズワイガニでもブランドごとに水揚げ時期が異なります。
・新潟県以北の海域…オス、メスともに10〜6月
・富山県以西の海域…メスガニは11月~翌年1月
、オスガニは11月~翌年3月
メスガニの方が2ヶ月ほど漁期が短く設定されているのは、資源保護のためです
対して、紅ズワイガニは6月〜8月に禁漁期を迎える場所が多く、主に秋から春にかけて水揚げされています。
ズワイガニと紅ズワイガニは旬の時期が違うので、購入の際はよく選ぶようにしましょう
その8
ズワイガニは、小型船で海底を網でひく底引き網で漁獲します。えびなどを獲るときにも使われる漁法です。
ズワイガニと紅ズワイガニの違いは、紅ズワイガニは、カニかご漁と言った、餌を入れたカニかごを100~400個連ねて投下し海底に沈め、数日待ち、一気に漁船へと引き上げます
その9
刺身にしたり、焼いて焼きガニにしたり、鍋の具材にしたりと幅広くお使い頂けるズワイガニ。
水分が多い紅ズワイガニは、刺身などには不向きで、そのまま茹でて食べたり、グラタンの具材などが適しています。また、かにみそがクリーミーで定評のあるのがこの紅ズワイガニです。ズワイガニと紅ズワイガニの特性をお分かり頂けるとより美味しく召し上がって頂けます
ズワイガニと紅ズワイガニの違いについてお分かり頂けましたか?
ズワイカニや紅ズワイガニはデパートや市場、通販など手軽に購入できるようになりましたが、購入時の失敗談も多いです。直接仕入れを行い、実績、信頼のできるカニの目利きのいる業者を選ぶようにしましょう
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